Long
始まったと思ったときには全てが終わり、終わったと思ったときには新たな物語が始まっていた。
気付いた時にはもう遅く、世界に私ただ独りが取り残されたような気がしてたまらなく恐くなった。
大空に常に在り、とても熱く、烈しく、でも優しく、柔らかく、この世界を照らしてくれる太陽。
それはいつだって私を見下ろしていて、見上げるばかりの私には触れることすらできない。
手を伸ばすことを諦めたあの人は、無気力に、呆然とそこに立ち竦んでいた。
今にも消えてしまいそうなその背中に思わずかけた声は予想以上に大きくあたりに響いた。
差し出された手にそっと自分の手を重ねると、何かが始まる、そんな気がした。
僕よりも小さい、私よりも大きい。私よりも小さい、僕よりも大きい。そんなあなたが愛おしい。
生まれて初めてこんなにも人を愛し、人を憎み、自分を恨み、・・・自分を愛した。
新しいことばかりだったはずなのにいつの間にかそれにさえ慣れてしまい新しいことは新しくなくなった。
愛すると誓ったはずなのに気がつけば愛して欲しいと願うだけ、変わってしまったのは私とあなたのどちらだろう。
零れる涙に見向きもせずに「あいしてる」とわらう彼女は何よりも美しく何よりも純粋で、なによりもおそろしかった。
(※「」内の言葉の変更可)
涙を流した分だけ強くなれると言うけれど、涙が枯れてしまった私はもう強くなれないということなのかしら。
追いかけても追いかけても追いつけない。夢の中のあなたはまるで雲のよう。
嗚呼神様、どうして私からすべてを奪っていくの!もう失うものは無いわ、この身以外。
君が笑う。僕を嗤う。君は哂う。僕に笑う。誰にも止められない君と僕との愛憎劇。
傍にいたいと思えば思うほどあなたの心は暗闇の中へと隠れてしまう。
どうしていつも助けてほしいと願ったとき、あの子は誰よりも早く駆けつけてくれるの。
そんな顔が見たかったわけじゃない、ただ、昔のようにわらってほしかったんだ。
出逢ったばかりのあの頃は、毎日が楽しくて、毎日が幸せに満ち溢れていたね。
どこで間違えてしまったのか、何が正しかったのか、どうすれば元に戻れるのか、元に戻れることなんてないんだよ。
ねえわたし、気付いていたかしら、初めて会ったあの瞬間から私は恋に落ちていたの。
随分遠回りしてしまったけど、この想いだけは変わることなく確かに胸の中に存在していた。
陽だまりの中私の膝に頭を預けるあなたの温もりと笑顔に心がぽかぽかと温かくなっていく。
あんなにも遠かったはずの光はいつの間にかこの手の中で眩く輝いていた。
君が教えてくれたのはただ一つ、他の誰でも無く自分を愛することでした。