天を瞞あざむいて海を過わたる
（正面から向っても敵わない相手を騙し、その隙に目的を達する）
　魏を囲んで趙を救う
（問題に真正面から取り組むより周辺の問題から片付けて行く方が得策な場合もある）
　刀を借りて人を殺す
（仕掛けた本人がやった事だとは気付かれないようにする）
　逸を以もって労を待つ
（機が満るまでじっと耐え、上手を取る事を狙う）
　火に趁つけこんで劫おしこみを打はたく
（苦境や困難、危機を利用する）
　東に声して西を撃つ
（ある場所を攻撃すると企てつつ、別の場所を攻撃する）
　無の中に有を生ず
（相手に錯覚を起させ偽物などを掴ませることによって利益を得る）
　暗ひそやかに陳倉に渡る
（進軍方向を偽る計略や公にはまったく無害で正常に見える行為の背後にある悪意を隠す計略）
　岸を隔てて火を観る
（逃げと機に乗ずる複合計略、敵が陥ってる危機に干渉せず後に事態が好転した際に利を得る）
　笑いの裏に刀を蔵かくす
（誠実さを装ったり同情するふりをして自分の利につなげる）
　李、桃に代って僵たおる
（自分や誰かが難を逃れるために他人に責任を擦り付ける）
　手に順したがいて羊を牽く
（自分の利益になると思えばどんな僅かなチャンスも利用する）
　草を打って蛇を驚かす
（人やものを見せしめにする計略）
　屍を借りて魂を還す
（役に立たないように見えるものでも実は役に立つかもしれないと知恵を働かせる）
　虎を調あしらって山を離れしむ
（正攻法で戦うには危険すぎる強力な敵対者を本拠地や支援者から遠ざけ、倒し易くする）
　擒とらえんと欲すれば姑しばらく縦はなて
（敵を擒えんとする長期目標に近づくための手段）
　磚れんがを抛なげて玉を引く
（ささやかな恩を売って大きな利益を上げる計略)
　賊を擒とらえんには王を擒とらえよ
（敵のキーパーソンを味方に引き込んで敵全体を取り込む）
　釜の底より薪を抽ぬく
（正面衝突を避け、敵の戦力を物質的或いは精神的に削ぐ）
　水を混ぜて魚を摸さぐる
（不明瞭さや無秩序、混乱を利用する）
　金蝉きんせん、殻を脱ぐ
（敵が自分以外のものに目を奪われている隙に逃げる）
　門を関ざして賊を捉う
（負けた敵の孤立的立場を利用し、逃げられなくする）
　遠く交わり近く攻む
（遠くにいる戦略上の敵と同盟を組み先ず近くの敵を排除し、続いて遠くの敵を排除する）
　道を仮りて"かく"を伐つ
（一方の標的の助けを借りて二つの目的を達する）
　梁を偸ぬすみ柱に換う
（対象物の中身を密かに、大抵悪い方に換えておく計略）
　桑を指ゆびさして槐えんじゅを罵る
（周囲に解るように「桑」を罵るが、実際にはより高貴で批判し難い隣の「槐」を当てこする）
　痴を仮るも癲てんせず
（無知・愚鈍・小者のふりをする計略）
　屋に上げて梯を抽はずす
（他人をわざと誘い込み、引き返せなくするか実権を奪う計略）
　樹上に花を開す
（酷い状況を包み隠し、ありもしない武力・権力を見せ、脅威であるような印象を与える）
　客を反して主と為す
（客が主となり、主を客に格下げすることが狙いの、逆の立場を得る計略）
　美人の計
（女性を利用して目的を達成する計略）
　空城の計
（守備が手薄な城の門を開いて猜疑心を抱かせる計略）
　反間の計
（スパイの計略、不知の種をまく計略）
　苦肉の計
（自分を傷つけて敵を信用させる計略）
　連環の計
（物事を結びつける計略とされる場合と、様々な計略をあわせて連結させた計略される場合がある）
　走にぐるを上と為す
（攻めるべきか退却すべきか慎重に秤にかけ、引き際を正確に見極める）